2021年1月2日

日経ものづくり、2020年12月号

・樹脂を精密加工するだけでなく、その加工方法を「加工レシピ」として他社に売る、というサービスをやっている企業があるらしい。加工方法を教えてしまうのは、一見すると技術の漏洩と思えるが、このサービスを行っている企業の代表が言うには、「高精度の加工は、サイズや形状がほんの少し異なるだけで、加工の方法や条件はがらりと変わってしまう。だから1つの加工方法を教えたところで、技術が漏れたことにはならない」と言う。多分、マニュアルを1つを教えても、他の場合への応用はほぼ不可能だから、教えてしまっても構わない、という考え方なのだろう。

・製造業DX特集。新型コロナ以降、顧客の多様なニーズに応えるために、B to Cのビジネスでも、大量生産型から受注生産型が主流になる、という記事があったが、本当だかどうだかはだいぶ怪しいと思う。常識的には、同じものを同じやり方で作る大量生産型の方が、効率よくモノを製造できる。コロナを機に大量生産型ビジネスを手放すという話は、現実的ではないというか、ちょっと信じられない。

・便利すぎるExcelに縛られ、真剣に困らずEXが進まない」と言うタイトルの対談がある。中身を見なくても、タイトルだけでなんとなく事情の察せられるところがある。

・「受注生産型では、仕様をお客さんに決めてもらうというスタイルになるので、守りの設計になりがちである」と言う話は、確かにそうかもしれない。理想を言うなら、設計者が仕様を決めてそれをお客さんに見せるのが、設計者にとっても1番面白い仕事のやり方なんだろうけど。その分、設計者の責任が重くなる事は、言うまでもないが。設計者というより、受注者である企業の責任が重くなるというのが本当のところなんだけど。