2021年1月1日

ニール・スティーブンスン『七人のイヴ Ⅱ』を読了。

・不穏かつ静かに物事が動く1巻と比べ、はるかに盛り上がる。地球が不毛の地となってからが本番とでも言わんばかりに。

・ダイナは理想の脳筋クルー。ラストの「七人のイブの会議」でも、生き残った他のメンバーが蹇々諤々と議論している中で、ひとり宇宙船の外に出て、「あと10分で会議を終わらせないと、ここを爆発してやる」とでもいうような行動に出た。そして他のメンバーは、この行動を受けて、あっという間に結論を出して話にケリをつけてしまった。冷静に考えればダイナのこの行動は賢いとは言えない。それでも私はダイナのこの行動がすごく好き。それは、議論はするけど行動しない秀才よりも、行動するバカが道を切り開くこともあるという話でもある。

・ニール・スティーブンスンの他の作品は読んだことはないが、他の作品にも興味が出てきた。この作者の科学技術の見方・考え方には興味がある。「七人のイブ」を見る限り、理論よりも実践が道を切り開くという考えがこの人にありそう。